診療日記

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診療日記:てんかん

すっかり秋の空気になってしまいました。

つい先日まで医局は冷房をいれていたのに、

今日は窓をあけると寒さすら感じました。

 

先日の日本臨床獣医学フォーラムでも講演があったのですが、

私が力を入れて取り組んでいる神経疾患の中から

「てんかん」について書いてみたいと思います。

 

てんかんに限らずどの病気でもそうなのですが、

皆さんにとって重要なのは

・その病気が治るものかどうか。

・治るならどのような経過をたどるのか。

・治らないなら症状を抑えることができるのかどうか

・治らないならどれくらいの早さで病気が進行するのか

こういったところを知ることだと思います

 

これらの情報を得るために様々な検査を実施し、診断をしていきます。

 

ところで、てんかんはどのように診断するのでしょうか?

 

現在のところ動物において、てんかんを確実に診断する方法はありません。

さまざまな検査を行い、その他可能性のある病気を否定していき、

いよいよあとはてんかんしか可能性が残ってないな、

となった時点でてんかんと診断します。

 

また、てんかんでよく見られるような発作(てんかん発作)を起こしても、

本当のてんかんによる発作である場合と

別の病気が原因で起きている発作である場合とがあります。

これらも原因によって治る場合と、治らない場合、

進行する場合と、薬で進行を止めることができる場合とがあります。

 

ではこれらを区別するために行うさまざまな検査とは一体なんでしょう。

・問診

・一般身体検査

・スクリーニング検査

・神経学的検査

・特殊検査:神経学的な特殊検査以外の検査(ホルター心電図検査やアミノ酸定量など)

・神経学的特殊検査:脳脊髄液検査、CT、MRI、脳波検査、筋電図検査などなど

これらの検査を組み合わせて診断していきます。

 

しかし一般の動物病院では神経学的特殊検査を行うことはできません。

当院では脳脊髄液検査などは実施していますが、

その他の神経学的な特殊検査は、

可能であれば獣医科大学の大学病院を紹介しています。

しかし時間的な問題や経済的な問題で実施が難しいことが多いです。

宮城にもCTやMRIを備える施設はあるのですが、

私の知る限りでは信頼に足る(=撮影するだけでなく、正しく読み取れる)施設は知りません。

 

現実的には、発作を起こした動物には病院でできる範囲の検査をして、

あとは治療を行いながら、その治療に対する反応を見ながら診断していくことが多いです。

 

しかし、今までの私の経験からして、

・てんかんと言われて、てんかんの薬を飲ませているのに、悪くなる一方だ。

・てんかんと言われて、薬を飲んでいるが、あれから一度も発作がでていない。

というケースが非常に多いと感じています。

 

すなわち、

特殊検査ができないからといって、

できる検査すらもおそろかにされたまま

てんかんと診断されてしまうケースが

多いのではないでしょうか?

 

当院に転院された方の中にも

・てんかんと言われたが、特に何も検査していない。もしくは血液検査だけした。

・一度診察を受けたきり定期的な診察もなく、ひたすら薬だけを飲ませている。

という方々がいらっしゃいます。

もちろん中には本当にてんかんである場合もありますが、

場合によっては精密検査を実施することでもっと良い治療方法を選択できる場合もあります。

 

発作は見ていても非常に辛い症状です。

ですからより良い治療を選ぶためにもぜひ十分な検査を受けていただければと思います。

(西原)

 

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